便潜血について
便潜血検査は採取した便に試薬を混ぜ、血液が混ざっていないかを確認します。 発症間もない大腸がんや前がん病変の大腸ポリープは、目視できる血便や腹痛などの自覚症状が起こりづらいものです。
こうした自覚症状が少ない発症間もない大腸がんや大腸ポリープを的確に見つけるために、便潜血検査が実施されます。 しかし陽性判定が出ても自覚症状が起こらないため、「もともと痔だったからそれで出血しているのだろう」「便が硬かったから肛門が切れて出血したのだろう」と自己判断してしまい、精密検査を受けない方が多いです。 大腸がんは早期発見と早期治療によって完治の確率が上がります。
また、自覚症状がない状況で大腸カメラ検査を行うことにより、大腸がんで亡くなるリスク自体を半減できるとされております。るため、陽性となった場合は消化器内科に相談し、きちんと精密検査を受けるようにしてください。
便潜血検査の正確性
便潜血検査は大腸出血を確認するためによく行われる検査ですが、複数の要因で検査の正確性が左右されます。
便潜血検査の正確性を高めるには、正確な試薬の操作、適切な検体採取、適切な検査結果の解釈が大切です。また、便潜血検査はスクリーニング検査として実施される傾向にあるため、陽性となった場合はより詳しい検査である大腸カメラ検査の受診が求められます。
陽性と指摘され、一度も大腸の内視鏡検査を内視鏡検査を行った事がないケースは約2-3%の方に大腸癌が見つかるとされております。最後は専門医が診断するため、陽性となった方はなるべく早めに受診してください。
便潜血検査陽性になると大腸カメラ検査を受けなければならない?
別の大腸の検査(大腸CT検査、カプセル内視鏡、大腸バリウム検査など)も効果的ですが、大腸カメラ検査の方が正確性が優れているとされています。特に、5mm以下のポリープや大腸がんを見つけるためには、大腸カメラ検査が一番お勧めです。
便潜血で一度だけ陽性と
なった場合は?
便潜血2日法のうち、1日分のみ陽性であった場合は2日とも陽性であった場合よりがんが見つかるリスクは少ないのでは?とのご質問を多く受ける事がありますが、便中に血液が混ざっているという事実に変わりはなく、がんが見つかるリスクも同様に変わりがありません。陽性と判明した方は、大腸カメラ検査を必ず受けましょう。
便潜血検査の
よくある質問
便潜血検査を実施する目的は何ですか?
便潜血検査は、大腸からの出血が起こって出血が起こっていいないかないかを確認するために実施されます。大腸からの出血は、消化器疾患や大腸がんのサインであり、自覚症状が乏しい発症間もない大腸がんの発見・治療に役立つ検査です。
便潜血検査の方法について教えてください。
基本的に、患者様はご自宅で便を採取して頂き、専用のキットに付いている試薬で便潜血検査を実施します。便潜血試験紙に便をつけて、試薬と混ぜます。それから、色の変化を確認し、陽性もしくは陰性の結果を出します。
便潜血検査はどのくらいのペースで受診した方が良いですか?
便潜血検査のペースは、患者様の年齢や危険因子によって変動します。基本的に50代以上の方は、2~3年に一度のペースでスクリーニング検査を受けることをお勧めします。なお、家族歴などの危険因子を持つ方は、より短いペースで受けて頂く場合があります。
便潜血検査で陽性となるということは、大腸がんを発症しているということでしょうか?
便潜血検査で陽性となったら、必ず大腸がんの確定診断となる訳ではありません。陽性はあくまで便中に血液が混ざっていることを表すもので、大腸がん以外にも炎症性腸疾患や痔などの別の消化器疾患によって出血が起こることもあります。陽性と指摘され、一度も大腸の内視鏡検査を内視鏡検査を行った事がないケースは約2-3%の方に大腸癌が見つかるとされております。正確な診断のためには、より詳しい検査を受けることが重要です。